台風の季節です。自然の中で作物を栽培している以上、被害は多少あるもんだと思って農家をしていますが、最小限に止められるようにやれることはやる必要があります。
参考文献:基礎からわかる おいしいブドウ栽培 [ 小林和司 ]
農業と分散投資 Farming and Diversified Investment.
早め早めの対策を
ブドウに限らず農作物は気象に大きく影響を受ける。露地で栽培している以上、気象災害を完全に防ぐことはできない。しかし、気象情報に注意して事前対策を講じたり、事後対策を徹底したりすることで被害を軽減することは可能である。棚仕立てのブドウは立木に比べ強風に強いが、その棚が倒壊するとなると、被害は甚大である。台風の接近で強風が予想される場合は、棚やつか杭などを点検し、補修・補強を行なう。
また、収穫前の園では強風による果房の落下や葉ズレなどを防ぐため、棚の周りに防風ネットを設置する。雨よけ施設では、とくに風が強い場合はビニールを巻き上げ、倒壊を防ぐ。
収穫期を迎えている園では地域の指導機関の指示に従うが、経済的な打撃を少しでも少なくするため収穫を急ぐ。ただし、商品性や信頼の低下が懸念されるので、未熟な果房は収穫しないようにする。
台風が通過後、園が滞水している場合は、速やかに排水する。結果母枝や新梢が棚から外れている場合は再誘引し、カサのかけ直しも行なう。果房をチェックして葉ズレや裂果、打撲のひどい果粒があれば摘粒する。