剪定を行なった冬の寒さが懐かしくなるくらい、初夏の暑さが厳しくなってきました。冬の剪定で整えた枝から順調に芽吹き緑が生い茂っています。冬の剪定の目的は樹を若返らせることという意味がわかってきた気がします。
参考文献:果樹栽培 実つきがよくなる「コツ」の科学
ブドウ農家のリンゴ剪定 Pruning of apple trees by a grape farmer
毎年収穫を得るために思い切って切り詰める
当年枝を切り詰めることで、いくつかの花芽を切り取ることになり、収穫量も減る可能性があります。特にブルーベリーやカキ、クリなど、花芽が当年枝の先端付近に集中する果樹では、切り詰めが花芽の減少に大きくかかわり、枝を切り詰めるのはよくないと思われるかもしれません。しかし、枝が古くなると花や果実がつきにくくなり、年数の経過とともに、結実する部位は木の外周部だけになります。
果樹は永年性の作物なので、数年先を見据えた剪定をしなければなりません。そこで、来年の収穫を予定する当年枝は花芽を切り取りすぎないように切り詰めを控えます。再来年以降の収穫を予定する枝は切り詰めて若い枝を積極的に発生させます。このように切り詰める枝と切り詰めない枝のメリハリをつけることで、直近の年の収穫量を確保しつつ、数年後も実つきがよい状態を維持できるのです。